浣腸は非常手段

 

便秘の状態が長く続くと、腸内にたまった便の水分が、そのあいだに腸壁からどんどんと吸収されてしまい、ますます硬い便となってしまいます。時には、肛門近くにカチカチに固まってしまって、栓をしたような状態になり出口をふさいでしまうこともあります。

 

そうなってしまうと、もういくらいきんでも、最終手段としての便秘薬(下剤)を使っても排便はできなくなってしまいます。このような時は、浣腸を使うのが有効です。

 

浣腸は、一般的にはグリセリンを主成分とした液状の薬剤で、これを肛門から注入します。市販品としても購入可能で、イチジク浣腸などが有名です。容量も10グラムから40グラムまでが販売されており、子供向けから大人向けまであります。便秘解消法としては最も即効性が期待され、浣腸液を注入することで腸粘膜が刺激されて、数分で排便されます。

 

このように浣腸は、便秘を一気に解消することができますが、2~3日ぐらいお通じがないからといって、むやみに用いるのはやめましょう。

 

浣腸を繰り返していると、クセになって浣腸しないことには排便できなくなったり、逆に直腸の粘膜が過敏になって、1日に何度もトイレに行かなくてはならなくなったりします。
また、人によっては下痢が続いてしまうことにもなります。

 

便秘解消のためには、まずは腸を刺激するような適度な運動やマッサージ、食事の改善からはじめ、浣腸は便がどうしても出ないときの非常手段としましょう。